BRAND STORY vol.05 TARP

機能美が際立つタープ4モデル

MARIPOSA TCLUPINE

01
デザインコンセプト

“スクエア型とヘキサ型、それぞれのメリット”

空に1枚の幕を張るだけで、オープンなリビング空間が出現する。テントやシェルターと違って、心地良い屋外で過ごす1日はまさにキャンプの醍醐味そのもの。夏の日差しや雨を遮るという機能以上に、自然を身近に感じられる開放感がタープの大きな魅力です。

タープにはさまざまな種類がありますが、2人以上の家族やグループで使うことを想定すると、スクエア(正方形)型か、レクタ型(長方形)、ヘキサ(六角形)型の3種類になります。

一般的にスクエア型やレクタ型タープは、日陰の面積を多く取れることと、左右にサイドポールを加えることで張り方のアレンジが可能というメリットがあります。一方、ヘキサ型タープは2本のポールでシンプルに張れることと、風への強さがあります。

SABBATICALのスクエア型タープ「マリポサTC」は、張ったときの強度や生地の伸びを考慮した結果、あえて数枚のパネルを縫製して作った正方形の幕体です。サイドポールを立てて四隅を落とし込む設計によって、有効面積を最大限に拡張することができます。

ヘキサ型タープの「ルピネ」は、もともと風に強い形状に加えて、6つのコーナーに適性なに力が加わるようにデザインされているため、非常に美しい曲線美と耐風性を実現しています。

02
素材

“TC素材か、ポリエステル素材か”

スクエアタープの「マリポサTC」はTC素材、ヘキサタープの「ルピネ」はポリエステル素材と、2種類のファブリックを使い分けています。

TC素材はコットン35%とポリエステル65%の混紡素材で、難燃素材ではありませんが、化繊素材に比べて火が燃え広がりにくいため、近くで焚火を併用しやすいことが人気の秘訣。また、遮光性と通気性を備えることで、夏の日差しを遮って、涼しく過ごすことができます。生地の性質上、雨に濡れるとコットン糸が拡張することで雨の浸水を防ぎますが、完全防水ではなく、縫い目からの浸水が発生する場合があります。

ヘキサ型タープの「ルピネ」は、もともと風に強い形状に加えて、6つのコーナーに適性なに力が加わるようにデザインされているため、非常に美しい曲線美と耐風性を実現しています。

03
サイズ感

“Mは4人まで、Lは6人まで”

「マリポサTC」「ルピネ」ともに、MサイズとLサイズがあります。Mサイズは2〜4人、Lサイズは4〜6人が快適に使用できる広さを想定して設計してあります。

両モデルともに想定した使用人数は同じですが、左右にサイドポールを立てるという構造上、「ルピネ」よりも、スクエアな「マリポサTC」のほうが、ほんの少しだけ広めに感じるかもしれません。

Mサイズを選ぶか、あるいはLサイズかは悩ましいところだと思います。使用人数よりも大きめのサイズなら、よりゆったりした空間で過ごすことができると考えるのも無理はありません。しかし、サイズが大きくなるぶんタープ自体の高さが増し(LはMより30cm高くなる)、そのぶん、風を受けやすくなります。そのため、大は小を兼ねるという考え方ではなく、やはり、使用する人数に見合ったサイズがお勧めです。

04
MARIPOSA TC

“TC素材のスクエア型タープ「マリポサTC」”

「マリポサ」は蝶の羽のようにふわりとした白い花びらを持つ可憐な花。その花びらを広げた形にどこか似ていることから「マリポサTC」と名付けられました。

一見、なんの変哲もない1枚の正方形に見えるこのスクエアタープ本体には、テントデザインで培われたいくつかの技術が織り込まれています。そのひとつは、生地の伸び方向を計算に入れた機能的なパターンニングがあります。

通常、タープに使う生地は縦糸と横糸を交互に織って作るため、バイアス(斜め)方向に力が掛かったときには生地が伸びるという性質があります。そのため、単に正方形の本体を作っただけでは、四隅のロープを張ったときに、不自然なシワや伸びが出てしまいます。

そこで「マリポサTC」では、各コーナーを45度でカットし、コーナーに向かって生地目が向くように縫製しています。メインポールとサイドポールを結ぶ斜めの縫製ラインがその部分です。これによって、多少ラフに張ってもどなたでも美しく設営することができます。

さらに、この斜めのラインを軸にして、四隅のパネルを上げたり下げたりと、自由に可変することが可能になります。

広さを確保するためには、ある程度、タープには高さが必要ですが、そのぶん、日差しが差し込みやすくなります。その際、この四隅を落とし込むことでタープ下の日陰が中央に集まりやすくなり、実質的な有効面積を多く確保します。また、この四隅の落とし込みは、ロープをベグダウンする位置を変えることで、角度を自在に変更できます。

雨天時には四隅を落とし込むことで斜め方向からの雨の侵入を防ぎ、タープ下で安心してくつろぐことができます。一般的にはタープ本体が大きいほど雨が溜まりやすくなりますが、「マリポサTC」ではメインポールとサイドポールに高低差をつけることで、自然な雨水の流れを生み出しています。

なお、「マリポサM TC」は「モーニンググローリーTC」と、「マリポサL TC」は「スカイパイロットTC」と、それぞれ連結が可能です(別売りのフロントに使用するタープポール 240 ALのポールが必要)。同じTC素材で、カラーも同じ。コーディネイトされたセッティングで快適なキャンプをお過ごしください。

05
LUPINE

“風に強く美しいヘキサ型タープ「ルピネ」”

ポリエステル素材を使ったヘキサ型タープ「ルピネ」の名前は、荒れ地でもたくましく育つ「ルピナス」の花に由来しています。

6カ所のコーナーを持つヘキサ型タープは耐風性に優れ、見た目にも美しい曲線美を描くシルエットが特徴的です。

SABBATICALの「ルピネ」は、2本のポールで支持する構造で、いかにシワなく綺麗に張ることができるかを追求しました。ヘキサタイプの形状と構造、バランスを見直し、さらに生地の特性を加味。その結果、6つのコーナーに無理なく適正な力が加わることで強度と耐風性がアップ。引っ張り合った2本のポールと4つのコーナーに均等に力が分散して支えるため、風に対して高い強度を発揮します。

ペグダウンする個所も必要最低限のため、設営しやすく作業も短時間、ロープ数が多くないのでテントサイトでも邪魔になりません。

ファブリックは防水・撥水・遮光PU加工を施したポリエステル素材。雨に強く、濡れても乾きやすいため、雨の心配があるときには最適です。また、ポールは軽量で強度の高いアルミニウム合金製のポールが付属するため、お得感のあるパッケージとなっています。強度のわりには軽量なポリエステル素材も相まって、ポールを含めた総重量は、同じサイズの「マリポサTC」の半分以下で、設営や撤収時の負担を軽減させます。

いわば、「ルピネ」のヘキサ型タープは、シンプルな構造で最大限の有効面積を実現する究極のカタチ。春・夏・秋の3シーズンを美しい自然のなかで心地良く過ごすための、強力な味方になってくれるはずです。


  • TEXT:CHIKARA TERAKURA
  • PHOTO:SHOTA KIKUCHI