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STORY
vol.
02

プロダクションノート
プロダクト開発編

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    00
    イントロダクション
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  • vol.
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    ナンガ本社工場に潜入
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    ダウンの源流を知る
BRAND STORY vol.2PRODUCT DESIGN

プロダクト開発編

SABBATICALはこうしてデザインされている

着想と企画
01
着想と企画

“まずは頭のなかで徹底的に
考えます”

このくらいの人数でこう使ってもらうから、このくらいの大きさが必要で……。まずは、そうしたことを徹底的に考えます。頭のなかで理詰めにして完成させるのです。 考えがまとまった時点で、スケッチブックに手描きのラフスケッチを描きます。

これはほぼ一回で描き上げます。その時点では頭のなかでは完全にできあがっているので、悩みながら何枚も描き直すことはありません。

次にラフスケッチをライトボックスの上でトレースしながら、ディテールを描き込んでいく。最終的にそれが工場に出す仕様書になります。つまり、ラフスケッチは仕様書の下書きです。

スケールモデル
02
スケールモデル

“描いた図面を
立体に立ち上げます”

仕様書での設計で素材やサイズなどのスペックを決めると、その数値をもとにスケールモデルを作ります。頭のなかで描いた図面を、立体に立ち上げて、全方向から確認するわけです。

ワンポールテントの場合はペーパークラフトです。パソコン上で描いた展開図を厚紙に出力し、カッターで切って、テープで留める。ドーム形状の場合は、フレームワークを縮小したモデルを作ります。

そうしたスケールモデルを眺めながら、これがプロダクトとして成立するのか、実際デザイン的に美しいのかどうかなどをじっくり検証します。

1/1モデル
03
1/1モデル

“テントの実物大モデルを作って
検証します”

1/1スケールモデルは、設計図の数値を忠実に再現した原寸大の3Dモデルです。ポールと同じの長さの材料を立てて固定し、その頂点から細いロープを張リ巡らせて、実物大の空間を作り出します。フレームワークの場合は、フレキシブルな塩ビ管を曲げて組みます。

ラフスケッチから仕様書までの過程で完成度を高めたつもりでも、やはり、図面上の数値なので、リアルな原寸大モデルを作って、思い描いたイメージとの違いを検証していく必要があるのです。

もう少し高くしたほうが当初のイメージ近づくなとか、ここは少し下げたほうが設営しやすいなとか、全体とディテールを確認ながら、時間をかけて検証と修正を行います。

その際、椅子やテーブル、コットといったテント内に入れるキャンプ用品を実際に持ち込みます。そうやって実際の居住空間としての広さや高さ、動線のスムーズさ、出入り口の入りやすさなどを確認します。

修正した数値でペーパークラフトを作り直し、それを何度か行き来しながら仕様書を完成させます。そうして10センチ単位の修正まではこの段階ですべて終わらせておきます。

サンプル作成は中国の工場に依頼し、そこでパターンの一つひとつをCADで図面化していくので、その段階でわずかな変更でもあれば、全体に関わってくるので修正に時間がかかってしまいます。したがって、サンプルを依頼する段階で、仕様書の数値はすべて決定しておくのが自分たちのやり方です。

これだけコンピュータの能力が発達した現在でも、自動車メーカーでは必ずクレイモデルを作って確認しているように、実物大モデルを作って検証するのは、完成度を高めるには必要な工程なんですね。

ただ、ものすごく手間と時間の掛かる作業なので、SABBATICALとZANE ARTS以外はまずやっていないと思いますよ。

サンプルモデルの検証
04
サンプルモデルの検証

“どうしても計算上にはない
シワが出ます”

徹底的に煮詰めて発注しますから、上がってきたサンプルの完成度は高いです。考えていたものと違ったことはほとんどない。むしろ、自分のイメージを超えていくことの方が多いです。「おぉ、いいじゃん!」って、自分で自分のデザインに感動している。ファーストサンプルはだいたいそういう感じですね。

そこから2回、3回と修正を繰り返します。もちろんファーストサンプルで終えられればベストですが、なかなか一発でOKを出せることはなく、2回、3回はかかります。

なぜかというと、布地にはタテヨコの向きがあって、バイアス(斜め)方向に伸びていく性質なので、どうしても計算上にはないシワが出るからです。

そこで「ここのステッチを詰めてタイトにして」といったような、具体的なシワの消し方まで細かく指示を出します。それを何度も繰り返して、きれいな面とラインを出していきます。これもまた、非常に手間のかかるところですが欠かせない工程で、納得いくまで繰り返せるかどうかで、仕上がりの品質は違ってきます。

<span class="en">ZANE ARTS</span>との役割分担
05
ZANE ARTSとの役割分担

“誰でも迷わずに使える
わかりやすいアイテムを”

これはコロナ禍以前からなのですが、アウトドア業界全体の傾向として、品質に対して価格が高騰しています。30年以上この業界で仕事をしてきた自分としても、そこにはやはり納得がいかないものがありました。

価格が高騰していたひとつの要因は、主要メーカーの会社規模が大きくなったことによる固定費の増大です。それが定価に乗っかっている。

ならば、自分で作ったミニマムな会社なら、固定費を抑えて利益幅を狭めることで、適性価格を実現できるのではないか。そうして一念発起して起業しました。それが自分のブランドZANE ARTSです。

けれども、まだスタートしたばかりの小さな会社で、適正価格という一石を業界に投じられることができるのか、と疑問に思ったんですよ。そこで、もうひとつのブランドを作ればいいと思いつきました。

とはいえ、自分で二つのブランドを持っても意味がないので、誰かにお願いしたいと。そう思ったときに真っ先に思い浮かんだのが、エイアンドエフさんだったのです。

デザイン、機能、品質、適性価格の四拍子が揃ったプロダクツを届けたい。自分がデザインする以上、そうしたパーフェクトなバランスは、どちらのブランドともに共通しています。

そのなかで、SABBATICALはキャンプスタイルの「ザ・スタンダード」を担ってアウトドアのすそ野を広げる役割で、ZANE ARTSは半歩先を行くようなちょっと実験的なプロダクツを出すブランドといったように、自分のなかでは明確に差別化されています。

SABBATICALは誰でも迷わずに使えるわかりやすいアイテムを出していくということです。今のキャンプトレンドに非常にマッチしていて、皆さんが「そうそう、こんな製品がほしかった」と言ってもらえるような、そんな製品を的確に出していきたいと考えています。

SABBATICAL プロダクトデザイナー
小杉 敬

1972年、新潟県生まれ。 大手アウトドアメーカーでの20年以上にわたる企画開発経験を経て、2018年、ゼインアーツを創業し、一躍業界中の注目を集める。 2018年からエイアンドエフのオリジナルブランド「SABBATICAL」にプロダクトデザイナーとして参画。 グッドデザイン賞受賞歴多数。 自身、クライマーでありバックカントリースキーヤー

  • BRAND STORY vol.01プロダクションノート
    デザイン哲学編
  • BRAND STORY vol.03シェルター
    ワンポールからの進化形
  • BRAND STORY TOPブランドストーリー トップ

  • TEXT:CHIKARA TERAKURA
  • PHOTO:SHOTA KIKUCHI

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SABBATICAL は株式会社エイアンドエフのオリジナルブランドです。

© A&F Corporation

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